第 1 章
太陽光工事の赤字は、見積もり段階で始まっている
「見積もり時点では利益が出るはずだった。なのに工事を終えてみたら、原価が膨らんで赤字。」
太陽光工事の現場で、もはや珍しくない光景です。
FIT 単価は下がり続け、パネルや PCS の価格は為替で日々動き、人件費・資材費は上昇基調にあります。それでも案件を取り続けないと会社が回らない — そんな構造の中で、多くの太陽光工事業者が「やればやるほど赤字」のサイクルから抜け出せないでいます。
では、なぜ赤字案件は生まれるのでしょうか。答えは一つしかありません。赤字は、ほとんどの場合、見積もり段階で「すでに」始まっています。 工事中のトラブルや想定外コストはきっかけに過ぎず、その下地は最初の見積もりで作られているのです。
第 2 章
なぜ太陽光工事の見積もりは難しいのか
太陽光工事の見積もりが難しい理由は、大きく 3 つあります。
部材の組み合わせが事実上「無限」
パネル (Trina / Q CELLS / Jinko / Canadian Solar ほか) × PCS (Huawei / オムロン / 山洋電機 / SMA / ダイヤゼブラ ほか) × 架台 × 接続箱 × 配電盤 × ケーブル × 配管材 × 監視装置 — 1 案件で 10 階層以上の組み合わせ判断が必要で、最適解は人間の頭で追える範囲を超えています。
パネル・部材価格が為替で日々動く
USD / CNY 建ての部材が多く、月初と月末で 5–10% 動くことも珍しくありません。古い単価表で見積を出すと、発注時点で利益が消えていることもあります。為替変動の影響は、月単位ではなく週単位で見る必要があります。
小物部材の見積取得に時間がかかる
パネル・PCS の大物が決まっても、その後の配線・配管材・接続箱・保護機器・副資材をサプライヤーに 1 件ずつメールで見積依頼。1 案件で 100 通以上のメール往復になることも珍しくありません。この時間ロスが、最終的な精度を下げます。
第 3 章
どんぶり勘定が赤字案件を生む
第 2 章の構造の結果として、現場で何が起きているか。
時間切れで、過去案件の係数や経験則で適当に丸める。
「だいたいこれくらい」「前の案件と似てるから 5% 増しで」 — このような丸め込みで、最終的に ±20% の誤差が出ることは珍しくありません。1,000 万円の見積もりであれば、200 万円が消える可能性があるということです。
⚠ 赤字案件が起きる典型パターン
- パネル単価を 1 ヶ月前の見積額のまま据え置いた → 為替で 7% 上昇していた
- 接続箱・保護機器の見積取得が間に合わず、係数で代用 → 実際の発注で 15% 超過
- 架台の傾斜・基礎の地耐力を簡易見積 → 工事段階で追加施工が必要に
- 過去案件の歩掛りをそのまま流用 → 実際の地形・搬入経路が異なり工期延伸
「赤字になった」と気付くのは工事完了後ですが、その下地は 最初の見積もりを作った瞬間に、もうほぼ決まっているのです。
第 4 章
必要なのは、過去見積と部材マスタをつなぐこと
では、どうすれば見積もり精度を上げて赤字を防げるのか。
答えは「すべての案件をゼロから見積もる」ことではありません。それは現実的に不可能です。むしろ、これまでに作った見積もりと、現在の部材マスタをつなぐ仕組みを持つことが解決の方向性です。
過去見積を流用する
似た規模・地域・メーカー構成の案件をテンプレ化し、すぐに「たたき台」を起こせる状態にする。
部材を連携選定する
パネルが決まれば PCS の候補が絞られ、PCS が決まれば架台・配電盤・保護機器の候補が連動して絞られる仕組み。
単価を一元管理する
部材マスタの単価が更新されれば、過去のすべての見積もりに最新価格を即時反映できる状態にする。
この 3 つを満たすと、見積もり作業は「ゼロから組み立てる作業」から「過去の蓄積と現在の最新情報を組み合わせて、たたき台を素早く起こす作業」に変わります。
第 5 章
SolarEstimate.AI でできること
第 4 章で述べた「過去見積と部材マスタをつなぐ仕組み」を、私たちは SolarEstimate.AI として実装しました。
図面 PDF から部材を自動拾い出し
アップロードした図面 PDF から、パネルの枚数・PCS の型番・架台レイアウトを自動抽出。手作業のミスを減らします。
部材の連携選定
パネルを選ぶと PCS の最適候補が絞り込まれ、PCS を選ぶと架台・配電盤・保護機器・ケーブルが連動。Huawei / オムロン / 山洋電機 / Canadian / SMA / ダイヤゼブラなど主要メーカーに対応します。
過去見積からの流用テンプレ
作成済みの見積もりはそのままテンプレ化。次案件で「これに似た構成」から呼び出し、規模・地域に合わせて再計算できます。
Excel 見積書ワンクリック出力
お客様提出用の Excel フォーマットで、ロゴ・請求情報入りの見積書をワンクリック出力。整形作業はゼロです。
⏱ 目指すのは、3 日かかる見積もりを 10 分で「たたき台」化すること。
案件の規模や図面品質によって所要時間は変わりますが、過去見積と部材マスタの連携によって、見積もり作業の 主要な部分を大幅に圧縮することを目指しています。残った時間で、現場固有の判断 (土地・搬入・地耐力など) に集中できる状態を作ります。
太陽光工事の見積もり・部材選定に関わる現場課題から、この仕組みを作りました。
第 6 章
まずは図面PDFで見積もりのたたき台を作る
仕組みは、触ってみるのが一番早いです。
登録なしで使える 30秒デモ から、もしくは過去案件の図面 PDF をアップロードしてみてください。実務で使えるかどうかは、自社の図面を 1 枚通せばすぐ判断できます。
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